令和元年度補正【事業承継補助金】

はじめに

令和元年度補正 事業承継補助金について、中小企業庁から発表がありました(特設サイト→こちら)。

基本的な要件は、過去の年度のものと変わりません。

対象となる「事業承継」

対象となる「事業承継」は、2つに分類されます。

Ⅰ型 後継者承継支援型

事業承継(事業再生を伴うものを含む)を行う個人及び中小企業等を対象としており、以下の全ての要件を満たすことが求められています。

  • 経営者の交代を契機として、経営革新等に取り組む、または事業転換に挑戦する者であること。
  • 産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援等事業者により特定創業支援等事業を受ける者など、一定の実績や知識などを有している者であること。
  • 地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業を行う者であること。

なお、後継者承継支援型における承継者が法人の場合、事業譲渡や株式譲渡等による承継は対象となりません。

Ⅱ型 事業再編・事業統合支援型

事業再編・事業統合等を行う中小企業等を対象としており、以下の全ての要件を満たすことが求められています。

  • 事業再編・事業統合等を契機として、経営革新等に取り組む、または事業転換に挑戦する者であること。なお、後継者不在により、事業再編・事業統合等を行わなければ事業継続が困難になることが見込まれている者に限ります。
  • 産業競争力強化法に基づく認定市区町村又は認定連携創業支援等事業者により特定創業支援等事業を受ける者など、一定の実績や知識などを有している者であること。
  • 地域の雇用をはじめ、地域経済全般を牽引する事業を行う者であること。

対象となる中小企業者等

以下の定義にあたる「中小企業者等」を対象としています。

業種分類 定 義
製造業その他(注1) 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社 又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人事業主
卸売業 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社
又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人事業主
小売業 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社
又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人事業主
サービス業(注2) 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社
又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人事業主

(中小企業とはいえ、大企業の傘下になるなど大企業とみなされる場合の例外あり)
注1:ゴム製品製造業(一部を除く)は資本金3億円以下又は従業員900人以下
注2:旅館業は資本金 5 千万円以下又は従業員 200 人以下、ソフトウエア業・情報処理サービス業は資本金 3 億円以下又は従業員 300 人以下

補助対象者の代表的な要件

  1. 補助対象者は、上記「中小企業者等」である必要があります。
  2. 補助対象者は、日本国内に拠点もしくは居住地を置き、日本国内で事業を営む者である必要があります。
    ※個人事業主は、青色申告者であり、税務署の受領印が押印された確定申告書 B と所得税青色申告決算書の写しを提出できること
    ※外国籍でも可
  3. 補助対象者は、地域経済に貢献している中小企業者等であること。地域の雇用の維持、創出や地域の強みである技術、特産品で地域を支えるなど、地域経済に貢献している中小企業者等である必要があります。
    ※地域経済に貢献している例
    ・ 地域の雇用の維持、創出などにより地域経済に貢献している。
    ・ 所在する地域又は近隣地域からの仕入(域内仕入)が多い。
    ・ 地域の強み(技術、特産品、観光、スポーツ等)の活用に取り組んでいる。
    ・ 所在する地域又は近隣地域以外の地域への売上(域外販売)が多い(インバウンド等による域内需要の増加に伴う売上も含む)。
    ・ 新事業等に挑戦し、地域経済に貢献するプロジェクトにおいて中心的な役割を担っている。
    ・ 上記によらずその他、当該企業の成長が地域経済に波及効果をもたらし、地域経済の活性化につながる取組を行っている

補助対象経費

補助事業実施するために必要となる経費で、事務局が必要かつ適切と認めたものが補助対象経費と して対象となります。

以下の1~3の条件をすべて満たす経費である必要があります。

  1. 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
  2. 承継者が交付決定日以降、補助事業期間内に契約・発注をおこない支払った経費(原則として、 被承継者が取り扱った経費は対象外)
  3. 補助事業期間完了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払等が確認できる経費

※交付決定日以前に発注(契約)を行っている経費は原則補助対象となりません。
※売上原価に相当すると事務局が判断する経費は補助対象となりません。
※M&A(事業再編・事業統合)費用、M&A(事業再編・事業統合)仲介手数料・デューデリジェンス 費用・コンサルティング費用等に相当すると事務局が判断する経費は補助対象となりません。

上記ホームページに詳細な例が掲げてあります。

補助上限額、補助率

補助対象者に交付する補助額は、補助対象経費の3分の2以内または2分の1以内とされています。

しかも、以下の表のとおりとなっています。なお、今年度は、I型の後継者承継支援型の補助金上限額が、例えば補助率2/3以内の場合、平成30年度第2次補正事業承継補助金200万円に比べて300万円にアップしています。


                           (出所:事業承継補助金事務局HP)

補助率を2/3以内にするには、以下の1又は2の要件を満たす申請である必要があります(形式的に要件を満たしても必ず2/3以内の補助率となるとは限りません)

  ①ベンチャー型事業承継枠にて2/3以内となる補助率要件→以下の要件を全て満たす場合

  • 新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、もしくは事業転換による新分野への進出を行う計画であること
  • 事務局が定める期間において従業員数を一定以上増加させる計画であること
  • 補助事業実施期間内において補助事業に直接従事する従業員を 1名以上雇い入れた事実が確認できること(なお、有期の雇用契約は本要件の対象としない。)

  ②生産性向上枠にて2/3以内となる補助率要件→以下の要件を満たす場合

  • 承継者が2017年4月 1日以降から交付申請日までの間に本補助事業において申請を行う事業と同一の内容で「先端設備等導入計画」又は「経営革新計画」いずれかの認定を受けてい ること

なお、補助金の交付は事業完了後の精算後の支払い(実費弁済)となりますので、補助事業は一次的には借入金等で必要な資金を自己調達するなどの対応をとる必要があります。

まとめ

以上に記載した各要件のほかにも、さまざまな要件や例外が設けられています。詳細は、上記ホームページに記載のある事業承継補助金事務局や、経営革新等認定支援機関(リーズ法律事務所の弁護士は支援機関となっています)に問い合わせください。