【国税不服審判所】令和元年度審査請求の状況を公表

国税不服審判所が令和元年度「審査請求の状況」を公表しました(リンク)。

令和元年度(令和元年4月1日~令和2年3月31日)の審査請求の発生件数は2559件、処理件数は2846件となりました。発生件数は2500件を下回った平成28年度こそ上回りましたが、前年度比17.6%減となりました。所得税に関する新規発生件数が300件減と減少幅が一番大きくなっています。

処理件数のうち、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた件数(認容件数)は375件(一部認容285件、全部認容90件)で、その割合は13.2%となりました。この比率は、過去2年10%を下回っていた認容割合は大きく上昇したことになります。

税目ごとの認容率は分かりませんので完全に推測ですが、所得税に関する調査で無茶をしたため、審査請求が過去2年多発し、令和元年度で認容割合が増える結果を招くとともに、所得税の調査であまり無茶をしなくなったので所得税の新件が減ったといえるかもしれません。

なお、審査請求の1年以内の処理件数割合は98.0%と少し落ちました。認容割合が増えたため、一部の事件で税額の計算に時間を要するなどして長期化した可能性があります。

このように、ほぼ1年以内で比較的高い割合で認容されている(すなわち納税者が何らかの形で勝っている)ということは、国税不服審判所での審査請求手続が納税者にとって有意義なものであることを裏付けています。

(弁護士・税理士・元国税審判官 永井 秀人)