【利用規約】ECサイトの利用規約の作成上の留意点

はじめに

利用規約は、ECサイトを運営する際に非常に重要な文書です。なぜ重要かというと、利用規約が、ユーザーと事業者との間の契約であり、両者の権利や義務、取引条件を定めるものだからです。Shopifyなどテンプレートが用意されているプラットフォームもありますが、それでも、ある程度は、個々のECサイトの商品特性や運営状況に応じた特記は必要になると思います。

以下では、ECサイトで利用規約を作成するうえでのポイントを挙げてみたいと思います。

1. 明確な表現と用語の定義

利用規約は、ユーザーが理解しやすい言葉で書かれていることが重要です。また、重要な用語や条項を定義することで、誤解を避けることができます。

2. サービスの提供内容

利用規約には、ECサイトが提供するサービスや商品の内容、価格、手数料、支払い方法などを明確に記載する必要があります。

3. 利用条件

利用規約には、ユーザーがECサイトを利用する際の条件を明示する必要があります。たとえば、未成年者の利用制限、禁止行為、アカウントの作成手続きなどが含まれます。

4. プライバシーポリシー

利用規約には、ユーザーの個人情報の取り扱いに関するポリシーを明示する必要があります。

これには、情報の収集方法、使用目的、第三者への提供などが含まれます。昨今、個人情報保護法関連の改正、規定・ガイドライン等の整備が著しく、対応している必要があります。プライバシーポリシーは利用規約とは別建てにする場合も多いです。cookieポリシーも同様です。

5. 免責事項

利用規約には、サービス提供者の免責事項を明確に記載することが重要です。

例えば、サービスの中断や停止、情報の正確性や完全性に関する責任の免除が含まれます。

6. 知的財産権の保護

ECサイトが提供するコンテンツやロゴなどの知的財産権に関する条項を明示する必要があります。これには、ユーザーに対するライセンスの付与条件や知的財産権の侵害に対する対応策が含まれます。

7. 紛争解決手続き

利用規約には、ユーザーと事業者の間で生じた紛争を解決するための手続きを明示することが重要です。最初は協議による場合もあれば、裁判・仲裁による場合もあります。専属的管轄の合意を定める場合が多いです。

8. 利用規約の変更

利用規約には、事業者が必要に応じて変更する権利を有することを明示する必要があります。変更後にECサイト経由で取引をした場合、変更後の利用規約が適用される形にします。また、変更が行われた場合にユーザーへの通知方法を記載することが重要です。ユーザーは利用規約の改定日や通知をよく見て、自らに適用がある利用規約を参照する必要があります。

 

以上のポイントを考慮しながら、利用規約を作成することで、ユーザーとの関係を明確にし、トラブルを未然に防ぐことができます。
それでも起きるのが紛争というものなのですが、それでも可能な限りあり得る事態を想定し、ユーザーが紛争を起こさないようにする、また仮に紛争を起こしても利用規約に書いてあったという理由で事業者が紛争に勝つような内容にしておく必要があります。